半過岩鼻

唐猫伝説(蹴裂伝説)

長野県上田市の坂城町寄りにある、古代のダムの堰堤跡と言われる地形です。

上田盆地と善光寺平の境目で、高さ100メートル。ここが繋がると千曲川が堰き止められ上田盆地は湖になります。
遠くから見ると、こんな感じです。半過岩鼻(左)、下塩尻岩鼻(右)。
削り取られたような半過岩鼻の断面。鼻に似てるので岩鼻と言うそうです。
半過岩鼻の前を流れる千曲川。
半過岩鼻の上には千曲公園があり、この辺りに伝わる唐猫伝説が書かれていました。

『 この公園の下、千曲川に向かっての絶壁を、半過岩鼻とよぶ。遠い昔、対岸の塩尻岩鼻と続いており、上田盆地は一面の湖だった。その湖の西にねずみがはびこり田畑を荒らしたので、唐猫を集めて追わせた。逃げ場を失ったねずみは岩山を食い破り湖の水は千曲川となって流れ出し、一帯は陸地となったといわれる。』

鼠と猫は流され、溺れ死んだ大鼠は下流で打ち上げられたそうで、半過岩鼻の隣に鼠宿という地名が残っています。唐猫はもっと下流の篠ノ井に打ち上げられ、唐猫を祀ったのが唐猫神社(軻良根古神社)だと言われています。この唐猫伝説も全国に分布する蹴裂(けさき)伝説の1つなので湖を裂いて開墾した開拓事業の1つとも考えられます。
千曲公園から見た善光寺平方面。削られたような場所が他にもチラホラ。

半過岩鼻所在地:長野県上田市