甲斐善光寺

甲州善光寺の棟木

甲州善光寺の棟木には悲しい物語があります。
− 甲州善光寺の棟木 −
『 昔、遠光寺村というところに、お琴という娘がおりました。お琴には夫となる若者がいて、二人は仲むつまじく過ごしておりましたが、ある青い月の綺麗な晩に、若者は、「私は高畑村にある大きな柳の木の精です。あす善光寺の棟木になるため切り倒されてしまうので、お別れしなければなりません」と涙ながらに言いました。
そして、「私は切られても千人二千人の力では動きません。もしあなたが来て声をかけてくれたら動きましょう」と言い残すと、すうっと消えてしまいました。
さて、そのあしたのこと、柳の木は切り倒されましたが、いくら人夫を増やしても動きません。そこで、お琴が泣く泣く今様をうたうと、柳の木はスルスルと動いたということです。』

甲斐善光寺の所在地:山梨県甲府市善光寺3-36-1