神磯の中世代白亜紀層

護摩壇石・清浄石

茨城県ひたちなか市の平磯〜磯崎の海岸一帯に広がる、ノコギリ状の岩が東へ30〜40度傾斜した岩場で、この海岸一帯は神が降臨した「神磯」と呼ばれ、昔から神聖な場所とされています。
現代ではこの地層からアンモナイトや翼竜の化石が発見され、恐竜がいた中世代白亜紀の地層を含むということで、茨城県の天然記念物に指定されています。海岸に古代の地層が露出しているのは、日本ではここと宮崎県の「鬼の洗濯板」だけだそうです。
中央の水平の石は3.6メートル四方の四角い岩で、護摩壇に似ているので「護摩壇石」、また「箱磯」「阿字石」とも言いますが、水戸光圀が土着信仰や前領主の影響を嫌い正式名称を「清浄石」に変更したそうです。

この地方全ての神仏はこの護摩壇石に漂着したといわれ、旧那珂郡(酒列磯前神社、静神社、東海村の大神宮を結ぶ三角形)では、神輿を海岸まで運び護摩壇石上に安置し祈願する「ヤンサマチ」という祭りを行っていました。
古来、白亜紀層海岸は「阿字石」前の浦なので「阿字ヶ浦」と言われていて、それが駅名となり、現在の阿字ヶ浦の地名になったそうです。
昔は数々の名勝があったそうですが、石を切り出して漁港を建設したり、海岸道路の建設で埋没してしまい、現在残っているものは僅かなんだそうです。

白亜紀層所在地:茨城県ひたちなか市平磯町(平磯海岸から磯崎海岸一帯)