− 安房神社 由緒 −
『房総半島の南端神戸郷に鎮り坐す旧官幣大社安房神社は、天太玉命を主祭神に天比理刀唐配祀として奉斎し、摂社下の宮には天富命を祀る。延喜の制には大社に列せられ、名神祭に預る安房国唯一の由緒深き名社である。
本社の祭神天太玉命は中臣氏の祖神天児屋根命と相並んで天照皇大神が天石窟に御幽居あらせられた時には、天太玉命は天児屋根命と共に大神の出御を祷り遂に再び大御神の天日の如き御威徳を仰ぎ奉られたのである。
安房開拓の神として当社の下の宮に祀られるゝ天富命は、天太玉命の御孫にあたらせられる。天富命は四国の阿波国忌部族の一部を割いて関東地方に大移動を起し、最初に占拠されたのが房総半島の南端、即ち現在の安房神社の鎮座地であって滋に本拠を定めて祖神天太玉命の社を建てた後、次第に内地の方に進みこの半島に麻穀を播殖しその産業地域を広められたのである。安房神社の御祭神は日本産業の総祖神として崇められ更に現在では家内安全、交通安全守護神、厄除開運等、関東地方随一の神社として信仰が厚い。』
(案内板より)
安房神社所在地:千葉県館山市大神宮589