志摩国一之宮 伊雑宮(いざわのみや)

皇大神宮別宮

本殿

鳥居をくぐって参道を進むと数十メートル先に本殿がありました。

伊雑宮は小さな神社なのですが、存在感はとてつもなく大きく感じられ、大きな陽のパワーがここに封じられているような、そんな感覚を体験しました。

本殿は伊勢神宮と同じシンプルな作りで、下には白い石が敷き詰められていて、清浄な空間といった感じです。神社特有の重苦しい雰囲気は全く感じず、爽やかな気分になれた神社で、こんな感覚になった神社は初めてです。クリーンルームにでも入ったような、浄化されて行くような感覚で、ここは凄くパワーの強い場所だと言われていますが、浄化パワーが強いのかな?

建築様式も内宮・外宮と同じ「唯一神明造」です。この様式は、格式が高すぎるため伊勢神宮以外では使用されない様式なので、この「唯一神明造」が伊雑宮の格式の高さを証明しています。

天橋立を参道に持つ丹後一之宮の籠神社(元伊勢)もこの唯一神明造です。
伊雑宮も内宮・外宮同様、20年に一度、隣の敷地に遷宮します。

20年サイクルは風水思想にもあり、方位の吉凶は20年毎に変化するので、家は20年毎にリフォームした方が良いと言われています。
中央の小さな小屋は、遷宮する時に位置を定める「心御柱」だそうです。ど真ん中ではなく、少し位置がズレています。
神殿の下に敷き詰められた白石は、地元の人や参加者が上流の川から綺麗な白石を見つけてきて置いたもので、起源や意味については諸説ありますが、内宮・外宮も白石と黒石が同じように敷き詰められています。
伊雑宮の祭神は天照坐皇大御神御魂(天照大神)です。

天照大神は謎が多い神様で、実はニギハヤヒ(饒速日命)のことだとかいろんな説があります。

ニギハヤヒと言ったら「千と千尋の神隠し」の美少年ハクのモデルですが、伊雑宮で感じた爽やかな雰囲気はハクっぽいかもしれない。

伊雑宮には謎が多く、伊雑宮のことを考えながら伊勢に行ったせいか、内宮では神殿への階段を一歩上った瞬間小雨に襲われ、内宮を出るまで小雨は続き、まるで追い出されたような気分でしたが、伊雑宮では逆に、ずっとここにいてもいいよと言われているような落ち着いた気分になれて、とても不思議でした。

伊雑宮所在地:三重県志摩郡磯部町上之郷374