伊勢志摩国立公園・二見浦(二見興玉神社)

二見興玉神社・龍宮社

二見興玉神社の拝殿。

祭神は猿田彦大神と宇迦御魂大神ですが、宇迦御魂大神は明治になってから合祀されたそうです。
古事記によると、猿田彦命は瓊瓊杵尊の命により宇受売命が二見浦で暗殺したことになっていますが、長野市松代の玉依姫神社縁起によると、善光寺平湖岸で瀬堰大明神という名で生きながらえていたそうで、猿田彦神にはいろんな言い伝えがありますね。

− 二見興玉神社由緒 −
『 垂仁天皇の御代皇女倭姫命、天照皇大神の神霊を奉戴して此の二見浦に御船を停め神縁深き猿田彦大神出現の神跡である海上の興玉神石を敬拝給う。即ち夫婦岩に注連縄を張り拝所を設けたが其后天平年間僧行基興玉社を創建す。明治に至り宇迦御魂大神を合祀して二見興玉神社と称する古来日の出の名所としてまた伊勢参宮の禊所として有名である。』
(案内板より)

日の神の遙拝所(左)と夫婦岩(右)

5〜7月、遙拝所の鳥居から見た夫婦岩の間に太陽が登り、天気が良いと富士山が見え、夏至の日には富士山の頂上から太陽が登り、このレイライン上には皇居−富士山−伊勢神宮−霧島が並びます。
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− 夫婦岩 −
『 夫婦岩は、沖合660mの海中に鎮まる興玉神石の鳥居とみなされており、日の出の遙拝所として古くから知られています。男岩と女岩を結ぶ大注連縄は「結界の縄」と称され大注連縄の向こうと常世神が太平洋の彼方から寄りつく聖なる場所、そして手前を俗世という隔りを持ち張られています。この大注連縄は、およそ650年前、既に張られており、現在も氏子により大注連縄張替の神事が年3回、5月5日・9月5日と12月の第3日曜日に行われています。夫婦岩の大きさは、男岩・高さ9m、女岩・高さ4mで二つの岩を結ぶ大注連縄は長さ35m、男岩に16m、女岩に10mが巻かれ、その間9mあります。夫婦岩の間からの日の出は、5月から7月頃が見ごろで、その絶景は深い感動を与えています。』
(案内板より)

夫婦岩の隣の蛙岩(親子蛙)。

鳥帽子岩と呼ばれてきた岩が蛙の容姿をなしてきたそうです。
− 二見浦と浜参宮 −
『 夫婦岩(立石)沖には、現在は海中に没していますが、神様が寄り付く岩・興玉神石があり、この周辺の立石浜は、神々のいる常世の国から寄せる波が最初に届く聖なる浜と信じられてきました。

神仏に参拝する時、水を浴びて身心を清めることを垢離(こり)と言いますが、古来立石浜は伊勢神宮の禊場(垢離場)として人々の信仰を集めてきたのです。神領民は勿論、全国から来られた方々も、外宮から内宮へ廻る神宮参拝や神事に参加する前にこの浜で禊ぎをするのが慣わしです。このように事前に禊のために立石浜を訪れてお祓いを受けることを「浜参宮」と言います。本来は実際に海水に浸かって禊をするのですが、現在では、二見輿玉神社に参拝し、輿玉神石より採取した無垢塩草で身を清めるお祓いを受ける浜参宮が一般的です。』
(案内板より)

二見興玉神社所在地:三重県伊勢市二見町江575