林泉寺(上越市)

上杉謙信ゆかりの寺

林泉寺の山門をくぐると春日山懐古が。

〓 大槻磐渓翁作 春日山懐古 〓
『 磐渓翁(1818−1878)は江戸時代後期、漢詩文にすぐれた史家頼山陽先生(1780−1832)と並んで有名な、仙台(宮城県)伊達藩の儒学者。上杉謙信公を特に敬い慕って、雄図なかばにして亡くなられた。英傑をしのんで詠まれた「春日山懐古」は、名詞として有名です。

− 読み方と意味 −
春日山 頭晩に鎖さる かすがさんとう ばんかにとざさる
上杉謙信公の居城春日山上からまわりを見わたせば、夕もやに包まれて、城のありし日をしのぶべくもない。

鰡嘶き罷んで 鳴鴉有り かりゅういななきやんで めいああり
いくたびも堂々戦場へ向かった栗毛の名愛馬のいななきも今は聞けず、カラスの鳴き声のみがひときわひびく。

憐れむ君が獨り 能州の月を賦して あわれむきみがひとり のうしゅうのつきをふして
それにしてもかえすがえすあわれ惜しきことよ、君のみは能登の名月に懐いをつづりながら。

平安城外の 花を詠ぜざりしを へいあんじょうがいの はなをえいぜざりしを
あつき願いであった、京の都の花咲く春の詩情を詠まなかったことを。』

林泉寺の所在地:新潟県上越市中門前1-1-1